CPAP(シーパップ)治療における副作用と対応・対策
CPAP治療における副作用・問題点は様々形で出るし、患者自身では解決が困難です。医療従事者による徹底的な患者支援、教育および一貫したフォローアップにより、長期的使用できます。定期的月 1 回の受診時に患者の訴えとC-PAP(シーパップ)レポートの情報に基づいて問題点を診断し、必要な対策・対応を出来ます。
副作用 不眠・寝られない:CPAP治療の始まった時期に装着が気になって寝られない、または、途中でマスクを外す患者さんが多いです。実際、1~3ヶ月でシーパップに慣れて、不眠症は改善します。それでも改善しない・重症の場合に筋弛緩作用が少ない超短時間作用型の睡眠剤を使用する方法もあります。
特に睡眠中にC-PAPが気になって何度も外す患者さんまたは頻回にトイレに行くなど途中覚醒が多い方に対して、中断後の再入眠に効果がある。
原因:睡眠衛生が悪い
対応・対策方法:睡眠衛生指導
・ 睡眠薬の一時的使用を考慮
・ 設定圧が高い場合:圧設定の調整
・ マスク変更、機器変更
副作用 夜中目が覚める:
原因:設定圧が高い
対応・対策方法:圧設定の調整が必要
副作用 鼻がつまる:CPAP中止の主な問題ではありますし、C-PAP治療の断続率を低下する主なトラブルでもあります。
原因: もともと鼻の病気とCPAPの副作用によるものがあります。
鼻:アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症、肥厚性鼻炎
CPAPの副作用:口からの空気漏れによって鼻腔を通る冷気の量が増えて、鼻内乾燥によって鼻がつまります。
対応・対策方法: 加温加湿器の使用
・ フルフェースマスクに変更
・ 耳鼻科受診・原因疾患の治療:点鼻薬を使用、鼻手術
鼻手術:保存的治療で結果を得られなくて、機械的の原因(鼻中隔湾曲症や肥厚性鼻炎)がある場合、鼻手術を行います。鼻の通りは改善されるとCPAP圧設定もされ、治療使用率・使用時間も改善されて、C-PAP効果が上がります。シーパップ治療を途中でやめた患者さんにも、手術によって鼻つまりを治療されたら、CPAP治療の維持ができるようになります。
副作用 鼻が乾く・鼻血が出る・鼻の痛み:
原因:鼻粘膜の乾燥
対応・対策方法: 生理食塩水の点鼻の使用
・ 軟膏の使用、
・ 加温加湿器の使用
・ 耳鼻科受診、
副作用 鼻水がよく出る:
原因:口からの空気漏れによって鼻腔を通る冷気の量が増える
対応・対策方法:チンストラップや口テープ、
・ フルフェースマスクに変更
副作用 目が乾く:
原因: マスクからの空気漏れ・エアーリーク
対応・対策方法:マスク装着: 適切か確認
・ マスク・ヘッドギアの調整
・ ストラップの調整
・ マスク形式の変更
ノドが乾く:
原因: 咽頭を通る冷気の粘膜に刺激
対応・対策方法: 加温加湿器の使用、
・ 口テープの使用
口が乾く:
原因:鼻閉
・ 口からの空気漏れによって口腔を通る冷気の量が増える
対応・対策方法: 鼻閉の原因病気を治療
・ チンストラップや口テープの使用、
・ フルフェースマスクに変更、圧を下げる、加温加湿器の使用、
騒音:
原因:マスクの騒音(空気漏れによる騒音マスクリークの可能性があり)
・ CPAP機器本体の騒音
対応・対策方法: マスクの騒音の場合➡マスク調整が必要
・ シーパップ機器本体の騒音の場合➡機器変更
CPAP治療の効果をよく分からない・感じない:
原因:AHI数値は改善しない、睡眠時間不足、使用時間の不足
対応・対策方法:AHIの改善を確認する上で、説明する
・ 日常の眠気改善を確認する、
・ 睡眠時間・C-PAP使用時間を確認する
・ 睡眠中のトイレ回数を減少する、
最高圧設定でも効果が不十分:
原因:COPDなどほかの病気の可能性
対応・対策方法:設定圧の調整・増加、酸素の付加、
・ 他の治療の併用
いびきがまだうるさいといわれる:
原因:設定圧
対応・対策方法:圧設定の調整が必要(設定圧を1cmH2Oずつ上げる)
・ autoCPAPに変更
結露を気になる:
原因:
対応・対策方法:加温チューブの使用、ホース・マスクカーバの使用
胸痛・腹部の膨感、胃の膨満感がある
原因:設定圧が高い
対応・対策方法:設定圧を下げる、減圧
固定圧の場合はautoCPAPへ変更
寝返りが打ちにくい
原因:
対応・対策方法:スリムチューブの使用、
・ シーパップ機器の位置の見直し、
・ チューブを頭方に出す
マスクで皮膚かぶれを起こす
原因:皮膚炎、皮膚潰瘍
対応・対策方法: マスク・ヘッドギアーの変更
ばんそうこう・ガーゼによる皮膚保護、軟膏の使用、フィッティング確認、
鼻マスクやピローマスクに変更
頭痛、鼻根部の潰瘍:
原因:マスクのフィッティングが強すぎ
対応・対策方法:マスクフィッティング確認
CPAP使用中呼吸困難・呼吸時に苦痛:
原因:設定圧が高い
対応・対策方法:呼気時の減圧機能がある機器に変更