睡眠時無呼吸症候群 症状
日本国内では40から65歳の年齢層の約1割に軽症や中等度の無呼吸症候群が発症します。特に女性より男性の方が多いです。しかし、本人には自覚症状は薄く、通常昼間の傾眠症状より気づきます。医療機関に受診しても、症状を注意深く聴取しないと発見されない場合もあります。
こういう悩みや自覚症状がありますでしょうか:
- 寝ても寝ても眠い、一日中 眠い!
- 眠くて仕方ない!
- 寝てる時に息が止まります!寝てる時呼吸が止まる!
- 寝てる時気道 狭くなる、息ができない!
- 寝てる時息が苦しくて目が覚める! 息が苦しくて起きる!
- 健康診断でまた30-40代なのに高血圧、メタボと注意され、病院に受信を進まれた!
- 物忘れ・ケアミスは激しく、仕事で困る!
- 睡眠時間を十分とったのに、異常な眠気に悩む!
- 集中力が無い、同じ物に必ず躓く、会話が聞き取れない!
- ご主人のいびきがひどくて、たまに、いびきとともに呼吸が止まることを心配!
上記の症状を悩む場合に睡眠時無呼吸症候群の確認が必要になります。
無呼吸症候群と強く関連する自覚症状をまとめると:

寝ても寝ても眠い、一日中 眠い
- いびき うるさい:習慣性いびき
- 昼間眠気・日中睡眠
- 寝てる時に息が止まる:睡眠中の呼吸停止
- 息が苦しくて目が覚める:夜中寝てる時の窒息感
- 夜中寝てる時3回以上の覚醒
- 集中力障害
- 倦怠感・日中過労
- 起床時 熟睡・熟眠障害
- 起床時 口腔内乾燥
- 頭痛:起床時の頭痛、睡眠中頭痛
- 咽頭刺激感
SASその他の自覚症状として、記憶力・感情コントロールの低下、仕事上の不注意を悪化します。また、睡眠障害が原因でうつ病、めまい症、偏頭痛、認知症にも関連します。
SASは睡眠障害にて高血圧症、めまい、うつ病、認知症、ストレスにも関連します。OSAの合併症は脳梗塞、心筋梗塞、不整脈、心不全、突然死のリスクを悪化します。
睡眠時無呼吸症候群の症状と病態:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)では基本的に2つの問題があります:睡眠障害と血中酸素濃度の低下(低酸素症)。これらによって、色々のシステムが障害され、様々な症状が発生します:循環器障害、呼吸器障害、代謝障害、精神障害。
睡眠は脳・体の休息時間ですが睡眠時間に様々な生理機能も行います:脳の保守、修複、身体機能の回復、情報処理、記憶の固定。このため質の良い睡眠が重要です。SASでは、呼吸が止まると当然に血中酸素濃度の低下する一方で血中CO2濃度が上がります。酸素・CO2異常はアラームし、その刺激によって一時的に起きてしまいます(覚醒反応)。呼吸は再開し、酸素・CO2濃度は一時的改善しますが、寝てしまうと同じサイクルは自覚しない間、繰り返します。SASの重症度によって、1時間あたりに数回~数十回まで覚醒します。結果として睡眠の分断化,睡眠障害へつながります。
また、低酸素血症、覚醒反応が頻繁に起こると、交感神経の活性化されて、血管内皮障害,凝固能亢進を惹起します。
参考文献:
[1] U.S. National Library of Medicine, PubMed Health: Obstructive Sleep Apnea (OSA), symptoms.
[2] Emedicine-Medscape: Obstructive Sleep Apnea (SAS),signs and symptoms.
[3] Strohl KP: Sleep Apnea OSA, Merck manuals.
[4] Miyazaki S et al: SASのピットフォール. Pitfall of obstructive sleep apnea syndrome (OSA). 耳鼻咽喉科展望 54(1), 10-18, 2011. 日本耳鼻咽喉科学会, 東京.
[5] Poceta JS et al: Identification and treatment of sleep apnea in patients with chronic headache. Headache 1995 Nov-Dec;35(10):586-9.