CPAPとは・シーパップとは睡眠時無呼吸症候群の第一選択
ここでCPAP(シーパップ)治療の効果、使用方法、CPAP装置の価格・費用・購入、CPAP副作用・マスク問題の対応・対策、タイトレーション、APAP(auto CPAP)を含めて重要なポイントについて近年の研究結果・専門ガイドライン的の指導上、簡単にわかる安く説明します。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因、病状、検査・診断と治療・対策法について別のサイトで説明しました。
Q1-CPAP治療とは、何ですか?
Q2-C パップ治療の効果は、どうですか?
Q3-CPAP治療の現実はどうですか?
Q4-日本国内では保険診療によるC パップ(シーパップ)治療の適応基準はどうですか?
Q5-日本国内ではシーパップ治療を行う場合、何科に受診すればよいですか?
Q6-シーパップ療法の費用・価格はどのぐらいかかりますか?
Q7-シーパップ治療の代替がないですか?一生続くものですか?離脱はできる方法がありますか?
Q8-シーパップ装置の圧設定とは、シーパップタイトレーションとは、autoCPAPとは何ですか?
Q9-シーパップ治療における副作用・トラブル・合併症とその対応・対策方法は?
Q10-シーパップ装置の設定とは?圧設定、マスクの選択ポイントは?
Q1-シーパップ治療とは、何ですか?
CPAP療法(Continuous positive airway pressure療法)とは持続陽圧呼吸療法という意味です。C パップ療法(シーパップ療法)は成人の睡眠時無呼吸症候群(SAS)のゴルドスタンダードな治療として第一選択になります。シーパップ療法はSAS患者の上気道に発生する閉塞を改善し、無呼吸を治します。そのメカニズムはCPAP装置より圧力かけた空気をホース、マスクを通って、鼻より気道へ送ります。この陽圧の空気が副木のように上気道を支えて、空気の通り道を塞がれないようにします。また、シーパップを使用すると、上気道の筋肉も弛緩し、C パップ装置からの空気圧によって気道は拡張されて、無呼吸状況を改善されます。
Q2-シーパップ療法の効果は、どうですか?
成人の睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP療法の効果は多数の研究で明らかになり、ガイドラインにも第一治療選択として記載されました。シーパップ療法の2つ目的があります:
1) 睡眠中の呼吸障害を解消することによってSASの内科的合併症(心筋梗塞、脳梗塞など)の治療と生命予後の改善すること、
2) 睡眠障害を解消させて、睡眠の質の回復することです。
CPAP(シーパップ)治療の効果について別のページで詳しく説明します。
Q3-シーパップ治療の現実はどうですか?
CPAP療法は1998年に保険収載になってから使用患者数は普及し、現在もSAS患者数と並行で増加傾向しています。2012年の時点で、国内でC パップ使用中の患者数は20数万人と予想されています。CPAP治療の長期的効果は明確されたため、日本の保険医療にかかわるガイドラインにSAS治療の第一選択として記入されています。現在、C パップ治療選択するかどうかより、治療の断続に注目されています。
CPAP療法はSASの理想的治療であっても、C パップの使用を実現するにはハードルが高いです。CPAP治療を開始してからなれるまで1~3ヶ月かかり、C パップを途中でやめる患者さんは特にこの3ヶ月以内で多いです。CPAP治療をやめる原因では鼻づまり、口腔乾燥、皮膚の圧迫障害、閉所恐怖症、圧に対する不快感、およびマスクからのエアリーク(空気漏れ)、騒音などによるトラブルを含む患者の不快感があります。日本国内ではC パップ治療の断続率は50-80%と低くて、断続率を向上するためには以下のポイントは重要です:
- まず患者の教育として、SAS病状・合併症に対する知識を身につけること、
- 次は、特に導入初期に操作説明とトラブルの対応・解決すること、
- 最後に、CPAP使用中・長期に出る副作用・合併症を対応・治療すること。
保険診療上、1ヶ月に1回に通院が必要です:CPAPの使用状況、自覚症状の変動、副作用の有無を確認します。使用状態の改善・合併症の予防するために必要な対策・対応します。 毎月1回の通院が負担にならないように、C パップ治療が安定になった時点で自宅に近くのクリニックに紹介は可能です。
SASの無呼吸・低呼吸数値 (AHI)を1-3年に1回CPAP使用と同時にPSG検査または簡易検査で確認。SAS関連の合併症(肥満度、高血圧、糖尿病)を定期的に血液検査でチェックします。
Q4–日本国内では保険診療によるCPAP(シーパップ)治療の適応基準はどうですか?
日本国内でのCPAP療法は健康保険適応基準で行います。しかし、これは純粋な医学的基準や臨床的ガイドラインではなく、医療制度上の基準であります。基本的に適応は標準的な方法によるPSGの結果に基づいて決定されます。
厚生労働省より平成28年度の健康保険における在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)の基準は発表されました。現在の診療報酬上は、成人の閉塞性睡眠時無呼吸に対するCPAP療法の適応基準は自覚症状と検査結果で決定します。健康保険によるCPAP療法の適応は以下のA またはBの条件を満たす必要があります:
A.簡易検査の場合、以下の2項目を満たす:
1)自覚症状:日中の傾眠,起床時の頭痛が強く、日常生活に支障を来す、
2)無呼吸指数(1 時間あたりの無呼吸数および低呼吸数)が40以上。
B.PSG検査の場合、以下の3項目を満たす:
1)無呼吸指数(1 時間あたりの無呼吸数および低呼吸数)が20以上 、
2)自覚症状:日中の傾眠,起床時の頭痛が強く、日常生活に支障をきたす 、
3)睡眠ポリグラフィー上、頻回の睡眠時無呼吸が原因で、睡眠の 分断化、深い睡眠が著しく減少または欠如し、持続陽圧呼吸療法(シーパップ)により睡眠ポリグラフィー上、睡眠の分断が消失、深睡眠が出現し、睡眠段階が正常化する。
Q5–日本国内ではCPAP治療を行う場合、何科に受診すればよいですか?
睡眠時無呼吸症候群の治療としてC パップ療法にかかわる主な科として耳鼻咽喉科、内科(呼吸器内科、循環器内科)が関与します。
CPAP治療に関する流れと耳鼻科医の役割
- 耳鼻咽喉科医は上気道の専門医であり、SASの診断・治療に積極的に関与します。
- まず、自覚症状と診察所見を評価した上で、PSG検査または簡易検査が行います。
- SASの重症度、閉塞部位、患者の希望を考慮し、
- C パップ療法、手術、口腔内装置の適応を検討し、
- 治療法の選択肢とその順序を提示します。
- CPAP療法を決定した場合、
- CPAP装置の選択、マスクの選択と圧の設定し、CPAP導入を開始します。
- 定期的の外来受診で、CPAP療法の効果を確認し、
- 副作用・トラブルの対応・対策します。
- 鼻づまり:C パップの代表的なトラブルであり、鼻腔の診察での原因疾患・問題点を確認し、対応・治療します。
- 必要によって、外科的治療も対応できる
- C パップ以外の治療法を求める患者に対して、閉塞部位の評価と各治療法の適応を判断、長期的治療プランを組み立て、SAS治療が行います。
Q6-CPAP(シーパップ)療法の費用・価格はどのぐらいかかりますか?
日本国内で、CPAP療法(在宅持続陽圧呼吸療法)は健康保険の適応基準で行います。SASの対象患者となる要件(参考:Q5)を満たすと、保険適応になります。保険診療の基準によって、定期的に月1回の外来受診は必要です。
1回の受診費用には外来の診察費(再診費用)、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料とCPAP機器のレンタル料を仕込みとなって算定します。
この条件で、患者負担は一般的な3割負担の場合には1回の受診費用は約5,000円になります。1割負担の場合は1,500円/月程度です。
CPAP機器を購入する事もできると言われますが、機器の設定・調整、事故の場合に数十万円もかかる修理代、マスク・ホースの交換など様々のことは自己管理・自己負担になります。この状態でC パップ療法を長期的に続くことも困難になるので月に1回通院できるならリースの方が良いと考えられます。
Q7–CPAP(シーパップ)治療の代替がないですか?CPAPは一生続くものですか?離脱はできる方法がありますか?
睡眠時無呼吸症候群の治療選択ではSASの重症度、閉塞部位、肥満度(BMIレベル)が重要です。中等度・重症の睡眠時無呼吸症候群ではC パップ療法は第一選択ですがCPAPの断続的使用頻度は50-80%程度です。C パップ以外の選択としては減量、手術(鼻腔・咽頭・口腔・顎)と口内装置の治療があります。この療法を患者の状況に合わせて、単独または組み立てることでSASの症状を軽快することは可能です。しかし、シーパップの程度にSASを改善できるくどうか、治療法と患者の状況によって異なります。特にSASが重症で、肥満度もかなり高い患者の場合、最初にCPAP治療の開始を進めます。C パップ治療中に、日常の眠気が改善し、運動ができるようになります。体重は減量できたら、CPAP離脱の可能性があります。
Q8-CPAP(シーパップ)装置の圧設定とは、CPAPタイトレーションとは、autoCPAPとは何ですか?
C パップ治療では装置よりかけた空気の圧力の設定・調整は重要です。圧設定を適切にしないと、様々の副作用とトラブルが出てきて、C パップ治療を長期的に断続するのは困難になります。
従来、設定には、PSG検査の必要があって、圧設定はPSG検査の結果で前提されました。CPAPタイトレーションとはPSG検査もとで決定するCPAP設定圧のことです。最初にシーパップタイトレーションを施行し、無呼吸・低呼吸の削失できる設定圧の範囲を決定し、治療を開始しました。
近年のIT技術の発達により、autoCPAP(APAP)という圧設定を自動的にできる新しい方法は発見され、CPAP装置の圧設定は簡単になりました。睡眠時の無呼吸・低呼吸状況、いびき、気流制限を自動的に計測し、その結果をCPAP装置内のメモリーカードに記録されます。autoシーパップ(APAP)とはこの情報もとにCPAP装置圧を治療と同時に自動的に調節する方法です。CPAPタイトレーションをPSG検査せずにautoCPAP装置(APAP)で直接CPAP治療を開始することできます。
現状ではCPAP治療を開始時の圧設定は一般に自動モードで、下限圧4cmH2O、上限圧16cmH2Oの範囲で設定します。SASの重症度、顎・顔面携帯、肥満の程度にて圧設定の変更することもあります。開始から2週間後、外来受診時に患者症状の改善、シーパップ装着に関する副作用、CPAP結果レポートを参考で調節します。使用状況によって、PSG検査による圧設定の確認が必要になることもあります。
Q9-シーパップ治療における副作用・トラブル・合併症とその対応・対策方法は?
シーパップ治療における副作用・問題点は様々形で出るし、患者自身では解決が困難です。医療従事者による徹底的な患者支援、教育および一貫したフォローアップにより、長期的使用できます。定期的月 1 回の受診時に患者の訴えとCPAPレポートの情報に基づいて問題点を診断し、必要な対策・対応を出来ます。
CPAP治療の副作用・トラブル・合併症について別のページで詳しく説明します。
参考文献:
[1] Campos-Rodriguez F. Mortality in obstructive sleep apnea-hypopnea patients treated with positive airway pressure. Chest. 2005, 128(2): 624-33.